皮膚疾患

水いぼ

水いぼの治療について

水いぼは、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)というごくありふれたウイルス感染症です。問題は伝染性であるため兄弟間、プール、保育園でうつる&うつす点です。また、そのブツブツが本当に水いぼかどうかという問題もあります。素人にも分かる典型的なものも多いのですが、鳥肌様湿疹、稗粒腫、光沢苔癬などと区別が難しい場合があり、皮膚科専門医への受診が必要です。ブツブツが小さい場合は、皮膚科医でも経過を見ないと水いぼと診断できない場合があります。また周囲に乾燥肌・湿疹が混在する場合が多く水いぼと区別しにくいため、先ず乾燥肌・湿疹の治療を優先します。
(自宅での水いぼ自体への外用療法は一般に無効です。周囲の湿疹、乾燥肌には有効です。)

治療法はおよそ以下の3つです。

長所 短所 適応
1.
放置
(自然治癒)
痛くない。
平均数カ月~1年で抵抗力(免疫)がつくと自然に脱落する。 ハト麦エキス(またはハト麦茶)内服も一法です。
長期間他人への感染源となる。長いと3年以上かかる。治る前に多発化、化膿、周囲の湿疹化の可能性がある。 集団生活(プールなど)での規制がないとき。
数が多い時。
水いぼの多発化、化膿、湿疹化や、見た目の悪さを許容できるとき。
2.
ピンセット
圧出除去法
専門医が素早く取る。
一番確実に除去できる。(麻酔シール後に取るのも一法。小児が体を動かすとシールの効果は乏しい。アナフィラキシーになる場合がある。)
痛みと出血を伴う。数が多いと子供も親も医師も看護師も大変。小さ過ぎると取れない。夏は取った後でかえってトビヒになることあり。 最も一般的な方法。
水いぼの数が少ない (10~20ケ位)ときはおすすめ。
3.
40%硝酸銀
塗布法
個人差はあるが、
2の方法より痛くない。
ピリピリとした痛みはある。
2週間~1カ月かかる。
2の方法より不確実。
病院によっては施行してない。
暴れないで、じっとしていられる子のみ。
痛いのはいやだが、何とかしたいとき。

水いぼの多発化、巨大化、化膿、周囲の湿疹化だけでなく、まわりの子供たちへの感染源となるので、少ないうちに早期発見・早期治療が原則です。他の兄弟も既に感染している可能性が高いですので注意してください。一般の皮膚科では、数の多少に関わらず2.の圧出除去法が行われています。乾燥肌のスキンケアが大切です。1.の方法は皮膚科医としてはあまりおすすできませんが、水いぼの数の多い子には2.の方法は耐え難いです。

ちなみに、プールは禁止されている施設の方が多いようです。しかし、水いぼと気付かずにプールに入っている子もいるでしょう。実際には厳密に禁止することは不可能です。プール以外でもうつるので、少しくらい水いぼがあっても、友だちと楽しくプールで泳ぐことの方が大事だという考え方もあります。 以上を参考にして、保護者の方に治療方針を選択していただきます。

お大事にして下さい。 医療法人 さくら皮フ科

 

「皮膚疾患一覧」に戻る

医療法人さくら皮フ科

診療時間 日・祝
午前
8:40~12:00
午後
15:10~18:30
受付は10分前より開始します。
土曜日は13:00まで。
休診日:木曜日・土曜日午後・日曜日・祝日

〒443-0104  愛知県蒲郡市形原町北新田61-1  交通案内

アクセス
『蒲郡 駅』より車で10分
『ポートタウンミュー』(西尾 市)より車で10分
『三ヶ根 駅』(幸田)より車で8分
『藤田医科大学 岡崎医療センター』(岡崎市)より車で27分
駐車場
50台(隣接の薬局と共用)