小児皮膚疾患
子どものアトピー性皮膚炎の皮膚の特徴 (乳児期、幼児・学童期、思春期・成人期)
1. 乳児期(2歳未満)
乳児早期には、ほほ、ひたい、頭にまず乾燥、次に赤味を生じるのが始まりです。
勢いが強いと赤味は強まり、ぶつぶつ(丘疹)が出ると同時にかゆみがでて搔くために、皮膚は傷つけられじゅくじゅくして、一部でかさぶたをつくります。
同時に皮疹は拡がり,耳まわり,口まわり,ほほ,あごなど顔全体に広がります。
顔の後で、くび、脇、肘、膝などのこすれる部分にじゅくじゅくた赤味(紅斑)が生じ、さらに、胸腹部、背部、手腕、足腿にも紅斑、丘疹が出てきます。
2. 幼児期・学童期(2~12歳)
幼児期から学童期にかけては、顔の皮疹は減少し、かわって首、脇、肘、膝、股、手首,足首などの皮疹が典型的となります。重症例では、顔、四肢にも皮疹が拡がり、繰り返して、掻き破るために、じゅくじゅく、かさぶたなどを繰り返し、肘、膝、手足に苔癬化(かゆみが強く厚い皮膚)、痒疹結節(かゆみの強いしこり)を生じることがあります。体、四肢には乾燥皮膚や鳥肌様の毛孔一致性丘疹がみられます。
3. 思春期・成人期(13歳以上)
思春期以降は顔、くび、胸部、背部など上半身に皮疹が強い傾向がみられるようになります。また、皮疹が顔からくびに激しい顔面型や、かゆみの強い丘疹が体、四肢に多発する痒疹型の皮疹を呈する場合もある。全身に拡がり紅皮症という重症例もあります。