小児皮膚疾患
こどもの抜毛癖(トリコチロマニア)
抜毛癖(トリコチロマニア)はどんな脱毛症ですか?
学童期の子供さんに多い脱毛症です。一種の癖で自分の毛を抜いてしまうために、脱毛状態になるものです。毛自体の病気ではありませんし、抜毛行為を止めてくれれば毛は生えてきます。
たいていは利き手側の頭髪を抜きますが、眉毛などを抜くこともあります。
脱毛部には切られた毛が不規則に残り、ところどころ頭皮を傷めて赤くなっていたり、脱毛部の形は円くはありません。専門医が診れば診断できますが、
円形脱毛症や脱毛を伴う頭部白癬(みずむし)との鑑別を要します。
抜毛の癖は、どうすれば止められるのでしょうか?
どうして抜毛行為をするようになったかを考えてあげることが大切です。
爪咬み(つめかみ)と同じように単なる癖のこともあります。
多くは、おとなしい、聞き分けの良い子で、子供なりの精神的ストレスを我慢し、それから逃避するために抜毛行為を始めます。
そのストレスの原因は人間関係や環境の変化が多いのです。
とくに家庭内、中でも親との関係が問題となることが多いようです。
いずれにしても、周囲の人たちが患児の気持ちを理解して、叱らず、優しく注意するなどして抜毛の癖を止めさせることが大切です。
なかなか止められない場合は、精神科医に相談が必要な場合もあります。