皮膚疾患

やけど

やけど(熱傷)の注意点

ヤケドの原因はさまざまで、やむを得ない場合もありますが、
大部分は不注意が原因なので、予防が第一です
範囲が狭く、深さも浅く、機能的に問題の少ない部分のヤケドは軽症ですが、
範囲が広く、深さが深くなればなるほど、治り難いだけでなく後遺症も出ます。
重症熱傷になると生命にもかかわってきます。

1.ヤケドをしたら、まず冷やす

冷やすことにはヤケドの症状を軽くする効果があります。痛みも軽くなります。
10~30分間、水道水、濡れタオル、氷などで冷やします
服を着ていた場合、服は脱がずに、そのまま水で冷やします(水をかけて浸す)。
あわてて衣服を脱がすと、同時に皮膚がめくれて、ヤケドが深くなります。
冷やしたまま、病院へ。

2.ヤケドの重症度

受傷範囲深さで決まります。深さはI度、II度、III度。

浅い順 深さ 表面の形状 経過
I度 表皮まで障害 赤い 数日で治る。
II度 真皮まで障害。
浅めのII度(SDB)
深めのII度(DDB)
水ぶくれ 浅めのⅡ度(SDB)は1,2週間。
深めのⅡ度(DDB)はそれ以上。
SDBとDDBの初期区別は困難。
III度 皮下組織まで障害。 黒こげ、真っ白 手術が必要になる場合が多い。

受傷面積(範囲)の目安として、手のひら大が全体表面積の約1%です。
全体表面積の5、6%以上ヤケドの場合は、大きな病院での治療がよいです

範囲は小さくても、部位や深さによっては注意が必要です。
顔面(目鼻口)、気道、陰股臀部、肛門周囲、全周性(手、足)の場合や、
II度(DDB)やIII度では、1%以下の場合でも、大きな病院での治療が必要です。

3.ヤケドの経過

ヤケドの初期、特に最初の1~3日は、皮膚は時々刻々と変化しますので、それに対応した処置が必要になります。
初めは、少し赤いだけ、翌日、翌々日には大きな水ぶくれとなることは少なくありません。少なくとも初めの数日は、毎日診察が必要です。
火事などによる気道熱傷は、初めは自分でも軽いと思っていても、1時間後には気道浮腫により呼吸困難となり生命を落とす危険もあります。

4.ヤケドの治療

I度、II度の浅いタイプ(SDB)は軟膏処置、被覆材処置をします。
通常、1~2週間で乾いて、少しずつ新しい皮膚が生えてきます。
こすれないように、ガーゼ保護が必要です。

一方、
2週間以上かかるヤケドは、II度の深いタイプ(DDB)とIII度です
DDBはIII度と同様で、通常植皮手術が必要なことが多いです。(入院が必要)
特に広範囲のヤケドでは、救急車で即時入院、全身管理が必要です。
15%以上の重症では熱傷専門の病院入院(豊橋市民、岡崎市民など)もよい。

5.ヤケドの後遺症

I度(軽症)の場合、とくになし。(ときに色素異常あり)
II度の場合、色素異常(色素斑(しみ、赤あざ)、色素脱出斑(白あざ))、 湿疹反応。
日光をさける、こすらない、こすれないことが大切です。
III度の場合、瘢痕ケロイド(もり上がり、関節部の引きつれ)。発癌。

予防が第一!

ヤケドはちょっとした注意でその大部分は予防できます

  • 特に、幼児、高齢者の周りに原因となる熱いものを置かない。
  • 熱湯の入ったコップ、おわんなどは、幼児の手の届かない所に置く。
  • カップめんなど、不安定な入れ物に入った食べ物は、どんぶりに移し変える。
  • やかん、ポット、炊飯器、加湿器などの蒸気にも注意する。
  • 鉄板や鍋、ストーブに、体重がかかったり押し付けた状況だと深くなります。
  • お風呂は、手で温度を確認にてから入りましょう。
    熱湯のお風呂に、いきなりざぶんっと入ってしまい、 広範囲ヤケドとなって、入院・手術される方が毎年います。
  • タバコの火、花火に注意して下さい。
  • 湯たんぽ、コタツ、カイロなどによる低温やけど(低温熱傷)は、深くなり、治り難いので注意して下さい。

お大事にして下さい。 医療法人 さくら皮フ科

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医療法人さくら皮フ科

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