小児皮膚疾患

乾燥肌のスキンケア

(1)保湿剤

小児乾燥型皮膚炎(続くとアトピー性皮膚炎)では、皮膚バリア機能と保湿因子が低下している。角質層内の水分含有量は低下し、特徴的な乾燥肌(ドライスキン)となります。そのため非特異的刺激による皮膚のかゆみを生じやすく、また、種々のアレルゲンの侵入が容易になり、皮膚炎を引き起こしやすいと考えられています。

保湿外用剤の使用は、乾燥型皮膚炎で低下している角質層の水分含有量を改善し、皮膚バリア機能を回復・維持することで、アレルゲンの侵入予防と皮膚炎の再燃予防、痒みの抑制につながります。
また、出生直後から保湿外用剤によるスキンケアを行うことは、アトピー性皮膚炎の発症リスクを下げます。ドライスキンに対するスキンケアの要点は、低下している皮表の保湿性を補うために保湿性の高い親水性軟膏(O/W)や吸水性軟膏(W/O)を外用することです。
保湿性の高い親水性軟膏と吸水性軟膏としては、ヘパリン類似物質含有製剤や尿素製剤があります。ただし、何れもかぶれることがあります。傷害された皮膚のバリア機能 を補充・補強または代償するためには、白色ワセリンなどの、皮膚に対して保護作用がある油脂性軟膏を外用します。べとつきますがかぶれる可能性は極めて少ないです。  

外用回数は、1日1回の外用よりも1日2回(朝・夕) の外用の方が保湿効果は高く、理想的には1日3回が最も高い。現実的には、1日2回(朝・夕) の外用をおすすめします。

塗布量の目安には、 FTU(finger tip unit) を用いる。
第2指の先端から第1関節部まで口径5mm のチューブから押し出された量(約0.5g)が1FTU(ワン フィンガー ユニット)です。 1FTU(0.5g)は、大人の手のひら約2枚分(大人の体表面積の約2%)の範囲に塗る適量とされています。

アトピー性皮膚炎患者の皮膚は、病変部位だけでなく、正常に見える部分も経皮的水分喪失(TEWL) が多く、ドライスキン状態にあります。そのため、保湿外用剤は正常に見える部位も含めて全体に塗布し、皮膚炎の部位には抗炎症作用のある外用剤を併用します。また、抗炎症作用のある外用薬などの治療で皮膚炎が寛解した後にも保湿外用剤を継続して使用することは、寛解状態の維持に有効です。保湿外用剤による維持療法中に皮膚炎の再燃がみられた部位には、炎症の程度に応じてステロイド外用剤やプロトピック軟膏、コレクチム軟膏を使用し、炎症の早期の鎮静化と維持療法への回帰を目指します。なお、稀に保湿外用薬の副作用による接触皮膚炎を生じることがあり、アトピー性皮膚炎の再燃との区別が必要です。また、ステロイド外用剤と保湿外用剤など、2種類以上の外用剤を混合して処方をすることは、薬剤の安定性や経皮吸収性が変化することを予想する必要があります。

 

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医療法人さくら皮フ科

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