小児皮膚疾患

プロアクティブ療法の実際

プロアクティブ(proactive)療法は、まず、再燃を繰り返す湿疹に対して、急性期のステロイド外用薬などの抗炎症外用薬(含プロトピック軟膏、コレクチム軟膏)を1日2回塗る治療によって、速やかに炎症を軽減することです(寛解導入と呼びます)。 リアクティブ療法(症状が出たときにステロイド外用薬を塗る治療)はこの段階(寛解導入)前後で治療を終了していました。

寛解導入した後に、保湿外用薬によるスキンケアはそのまま続けて、ステロイド外用薬をゆっくり減量します。減量方法は個々の患者さんで異なります。
例えば、1日2回連日しっかり塗布することから始め、半月から1ヵ月後に1日1回とし、その後も段階的に、1週間に5回、3回、2~1回へ、4、5段階を経てゆっくり塗る量を減らしながら、皮膚症状、かゆみをコントロールします(寛解維持と呼びます)。
具体的には、1段階を約1ヵ月として数カ月かけて減量します。患者さんによって異なりますが、厳格に治療するため一時的な入院治療が必要な場合もあります。

アトピー性皮膚炎では、炎症が軽快して一見正常に見える皮膚も、組織学的(顕微鏡的)には炎症細胞が残存し、外的あるいは内的な要因により再び炎症を引き起こしやすい状態(潜在的な炎症)が残っていることが多く、そのような炎症のある場合は血清TARC(ターク)値などの皮膚の病勢を反映するマーカーが正常範囲まで低下していません。この潜在的な炎症が残っている期間は、ステロイド外用薬などの抗炎症外用薬によるプロアクティブ療法を行うことによって、炎症を鎮静化し再燃を予防します。

ただし、ステロイド外用薬の連日塗布から間欠塗布(毎日は塗らない)への減量移行は、TARC(ターク)などの検査値も参考にしながら、かゆみが無く、赤みが無く、触ってもわずかな皮膚の腫れも無い(すべすべな皮膚)状態、皮膚炎が十分に改善した状態(寛解維持)で行われることが重要です。

さらに外用薬の使用量と塗布範囲、塗布終了時期については個々の患者さんに応じた対応が必要です。また、副作用についても注意深い観察が必要です。

プロアクティブ療法でも治療に限界のある重症患者さんもいらっしゃいます。しかし、そういった重症患者さんには、2018年開発されたデュピクセントが画期的で強力な救済戦略となっています。デュピクセント治療は、アトピー性皮膚炎の皮膚症状の評価に精通した医師によって行われることが望ましいとされています。
なお、プロアクティブ療法、デュピクセント治療を行っている間も、必要なステロイド塗布、保湿外用薬による毎日のスキンケアを継続することが勧められています。

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医療法人さくら皮フ科

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